アメリカ進出とポール・イリブ
1930年、ココ・シャネルはアメリカに渡ります。
これは、映画制作会社のサミュエル・ゴールドウィンの計らいで、ハリウッド映画での衣装及びスターたちの普段着をプロデュースするためのものです。
彼女は、アメリカ行きに乗り気だったわけではありません。
しかし、気分転換にやってみよう、という軽い気持ちでオファーを引き受けました。
その時、ココはまたしても恋に落ちます。
アメリカ人のイラストレーター、ポール・イリブです。
過去にポール・ポワレとも仕事をしており、フランスのファッションに精通している面もありましたが、社会に対する皮肉を込めた風刺画家として知られていたので、ある意味危険な人物でもありました。
彼との付き合いによって、彼女自身が政治的問題に巻き込まれる危険があったのです。
それでもココは、彼を深く愛するようになり、妻を持つ彼ともいつしか公然と外出するようになります。
イリブは、反ユダヤ思想で、ナチスドイツを賞賛していました。
そして、自分の思想を何のためらいもなく公にしていました。
ココは、やがてそれに感化されていき、後に彼女自身も対独協力に力を注ぐようになります。
しかし、イリブは1935年、テニスをしている時に心臓発作を起こし、急死します。
ココは、アーサー・カペルに次いで、またも「死」という形で最愛の人と別れを告げなければならなくなりました。
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Make an Advance into the United States and Paul Iribe
In 1930, Coco Chanel went to the United States.
At the personal request of Samuel Goldwyn in a movie production company, Chanel went to Hollywood to create casual wears and costumes for the leading stars of the silver screen.
She did not want to go to the United States.
However, she accepted the offer to refresh her mind without any particular motive.
Then, again Chanel fell in love with an American illustrator, Paul Iribe.
He worked with Paul Poiret in the past, so that he was familiar with French fashion, but also known as a illustrator who draws parodies or satirical renditions of social situations, which was a dangerous person in a sense.
Having a relationship with him, she had the risk of getting involved in political problems.
Nevertheless, she became to love him deeply, and openly went out with him who has the wife.
Irib was anti-Semitic and admired Nazi Germany.
In addition, he did not hide his thoughts without hesitation.
Chanel became inspired by him, and afterwards she also work hard in collaboration with Germany.
However, Iribe dies suddenly due to a heart attack when he was playing tennis in 1935.
Following the death of Arthur Capel, Chanel had to be bereaved of her lover again.
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ココ・シャネルの自伝
- ガブリエル・シャネルの生家
- 孤児院時代
- 修道女学校にて
- 洋品店での仕事
- 愛称「ココ」
- バルサン邸での生活
- 帽子事業とアーサー・カペル
- 事業拡大、ファッションデザインへ
- 戦時中のファッション
- カペルとの別離
- 芸術家との親交
- 香水「No.5」の成功
- ラ・ギャルソンヌ La Garconne
- ウェストミンスター公爵
- ライバルたち
- アメリカ進出とポール・イリブ
- 従業員のストライキから引退へ
- 逮捕から亡命生活へ
- カムバック
- ココの最期